Love Birthday‥~約束~
愛実のことが頭から離れずもがいていると、病室のドアをノックする音が聞こえた。
慌てて枕を顔から離し冷静を装って返事をすると、鼻のてっぺんを赤くした中嶋先生がドアの向こうに立っていた。
「どうしたんですか?
たしか、今日まで学会で青森に行ってたはずじゃ……」
「うん。さっき空港に着いてまっすぐここに来ちゃった」
突然来てくれた中嶋先生。
病院を離れていた間も俺のことを心配してくれていたように思えて、素直に嬉しかった。
「外寒かったですか?」
「うん。凄く寒いよ。
ほら、見て」
中嶋先生が病室のカーテンを開けると、白い雪がふわりふわりと降っていた。
「雪……?」
「ふふ、今日はホワイトクリスマスだね」
雪なんて北海道で見慣れていたのに、なんだか凄く嬉しかった。
とても綺麗に、輝いて見えた。