Love Birthday‥~約束~
気がついたら彼も笑ってて、そこから二人で話をした。
彼は同じ学校の男友達と一緒に古いアパートに住んでいて、毎日貧乏生活を送っている。
お金がないからあまり実家にも帰れず、盆と正月だけは帰れるように実習が始まるまではコンビニでアルバイトをしていた。
東京の生活には慣れたけど、空気には馴染めないんだって。
時々子供のように無邪気に笑う彼と、
大人びた顔で『いつかは地元で落ち着きたい』と言う彼に
私の心は時々ドキッとアクセントをつける。
アクセントが心に記される度、私の呼吸は苦しくなった。
これ以上苦しくなりたくない……。
そう思った時、緒方科長が私達の前に現れた。
「おはよう。なんだか楽しそうだな」
緒方科長の声に私の心がドキッとした。
けどそれは、私を苦しめる彼のアクセントとは違うものだった。
なんだろう。
言葉では言い表せないこの感覚。
どちらも言葉に出来るものではなかった。