Love Birthday‥~約束~


「すみません……。
あんなに一杯勉強に付き合ってもらったのに、
俺……全然自信ないです……」



赤信号で車が停止した時、俺は中嶋先生の顔を見れないまま謝った。

本当に申し訳なくて……。


落ち込んでる俺をチラッと見て、中嶋先生はくすっと笑った。



「私を見てるみたい」


「え……?」


意外な反応と言葉に、俺は反射的に中嶋先生の顔に目を向けた。



「私もそうだったのよ。
国家試験の後は落ち込んでご飯も喉を通らなかったの。
自己採点で50点くらいだったかな……?
本当に最悪だったのよ」


「えっ、そうだったんですか!?」


「うん。
けど、なぜか受かっちゃった」



いたずらに笑みを見せる中嶋先生に、俺はドキッとした。


まだ俺にも希望があるかも……。



信号が青に変わり、アクセルを踏みながら中嶋先生が口を開いた。


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