Love Birthday‥~約束~
「今までいろんな実習生を見てきて、国家試験に受かった子、落ちた子がいる。
国家試験て不思議よ。どんなに頭が良くても落ちちゃう人がいるの。
けっこう運が作用してるかもしれないわね」
「運……ですか?」
「吉田君は大丈夫よ。
運悪く脊髄損傷になったんだから、今回は運良く受かる」
前を向き運転しながら、さらっとそんなことが言えちゃう中嶋先生が凄いと思った。
だって、普通そんなこと言えないだろ?
運悪く脊髄損傷……とか。
かなりの脊髄損傷者は批判すると思う。
それを俺を目の前にしてさら~っと言っちゃうんだ。
だけど、俺にとってその言葉は
嬉しい言葉となって胸の中に入ってきた。
俺を特別扱いしない中嶋先生の言葉が、
凄く嬉しかったんだ。
「これから焼肉食べに行く?」
「行きます!!」
俺はさっきまでの落ち込みを吹き飛ばすように大きく返事した。
中嶋先生はその声に驚きながらも、笑顔で運転していた。