Love Birthday‥~約束~
愛実の名前を見ただけで、俺の鼓動は高鳴った。
『市ノ瀬 愛実』
俺がたくさん泣かせた人。
俺が何度も抱いた人。
俺が会いたい人。
俺の好きな人――。
別れの言葉を頭に浮かべただけで、涙腺が緩み喉が熱くなった。
「や……だよ……。
離れたくない……。離したくないよ……」
携帯画面が歪んで見えて、俺は必死に泣くのを堪えた。
終わりにしないと、きっと愛実は俺との約束を信じていつまでも俺を待ち続ける。
あいつは俺なんかより、真っ直ぐな奴だから……。
俺は目を閉じ、発信ボタンを押した。