Love Birthday‥~約束~
「誰ですか?」
『はぁっ!?』
「誰だよっ!?」
『高木だよ!!!!』
電話の相手が高木だと気づいたのは、高木が名乗った数秒後だった。
どうやら俺は、ほとんど歪んで見えなくなった視界の中で、間違って高木に電話をかけてしまったらしい……。
肝心な時に失敗するのは昔からだけど、ここまでくると自分に呆れてしまう。
俺ってホント情けない。
『ずっと連絡よこさないで今まで何やってたんだよ!』
「ごめん」
『元気なのか?』
「うん……まぁな……」
高木と話す予定じゃなかった俺は、なんて答えたらいいのか困った。
きっと高木が俺の体のことを知ったら、愛実の耳に入ってしまう。
それが怖くて言えない。