Love Birthday‥~約束~



神様、

これは俺に愛実との『さよなら』をさせないために仕組んだことですか?


それとも

臆病な俺に『さよなら』をさせる力を貸してくれたんですか?




電話の向こうで高木が大きく溜息をついた。


『あのよぉ、俺は別に構わないんだけど、理子が志則からの連絡がないと凄い不安がるんだよ。
また愛実ちゃんを泣かせるんじゃないかって……』



高木の言葉で、俺の胸が斧で射抜かれたように痛んだ。


俺は、理子ちゃんが不安になっていることをこれからしようとしてるんだ。


決して泣かせないと決めた愛実を

俺が自ら泣かせる……。



何も言わない俺のせいで沈黙が続き、高木が声を出した。




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