Love Birthday‥~約束~
しばらくの沈黙の後、低くなった高木の声が俺の耳に入った。
『本気で言ってんのかよ……』
「冗談でこんなこと言うかよ」
『何かあったのか?
志則、何か隠してるだろ?』
「隠してねーよ」
『おまえさぁ、昔っから悩みとか一人で抱え込んでかっこつけるだろ?』
「本当に何もないから。
めんどくせーから早く終わりにしたいんだよ」
『……』
「だから頼む。愛実に伝えてくれ……」
『……わかったよ。
そのかわり俺との縁も切ってくれ――』
短い沈黙もないまま、高木が電話を切った。
俺との縁も一緒に……。