Love Birthday‥~約束~



治療に使う大きな機材を持ち運んでいると、ふっと両手が突然軽くなった。


えっ!? なに??


驚いた私の目に映ったのは、優しく微笑む吉田君だった。


「どこに運ぶんですか?俺が運びますよ」



軽々と機材を持つ彼の腕に、私の鼓動が高鳴った。


「あ‥ありがとう。
むこうのテーブルの上に置いてくれる?」


「はい」



彼の背中を見つめながら歩く短い時間、

私はその背中に触れてみたいと思った。



「ここでいいですか?」


「うん」



なんでこんなにドキドキしてるんだろう。

どうしてこんなに嬉しいんだろう……。



彼の優しさが

凄く、凄く嬉しかった。








< 15 / 262 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop