Love Birthday‥~約束~
深い海の底に沈んだように、俺の心は真っ暗だった。
暗闇のどん底で、もがく術もなく瞬きすら出来ない。
そんな俺の前に、一人の見知らぬ女性が現れた。
「あの……すみません」
こんな時になんだよ。
一人にしてくれよ……。
俺の思いとは関係なく、俺の目を見ないままその女性は話し始めた。
「謝罪が遅くなってすみません。
吉田さんに助けて頂いた咲の母親の三浦志保といいます」
咲……?
混乱した頭の中で、深々と頭を下げている女性が、
あの時悲鳴をあげた母親だったと気づいた。
その途端、両手にじわじわと汗が浮いてきた。