Love Birthday‥~約束~
「吉田君? ごめんね、ノックしたけど反応がなくて……」
「あ……すみません、気づきませんでした」
心配した顔の中嶋先生が、リハビリの本を持って立っていた。
「何かあったの?」
中嶋先生の質問に答えられなかった。
これ以上声を出すと、堪えている涙が溢れそうで……。
「痛そう……」
そっと俺の手を取り、中嶋先生が呟いた。
「こんなのへっちゃらですよ」
笑って言ったはずなのに、
俺を見る中嶋先生は悲しい瞳をしていた。
「我慢しなくていいんだよ?
吐きだしちゃっていいんだよ?」
中嶋先生の手がとても温かい。
温かくて、切なくて……
俺、このままだと泣いちゃうよ……。