Love Birthday‥~約束~
その声に顔を上げると、
霧島先生は、俺と同じ高さの目線になるように椅子に座って優しく微笑んだ。
「良かったら、この病院で働いてみないか?」
驚きのあまり声が出ない。
どうして?
どうして俺なんかを……?
「あの、気をつかって頂けるのは嬉しいんですけど……
俺が怪我をしたのはこの病院のせいじゃないので……」
「君は何か誤解しているね?
僕は同情や責任で君に声をかけてるんじゃないんだよ」
霧島先生は目を細くして笑い、俺に語りかけるように話をした。
「リハビリをしている君の姿を見て、後ろ向きだった患者さんたちが前を見よう、前を見てみようって思うようになったらしい。
最近、リハビリ室の空気が変わってきていたことに君は気づいていなかったかい?」
そういえば、俺が実習中にリハビリを拒絶していた患者さんや、今まで見たことのなかった患者さんが最近顔を出すようになってきたような……。
「君は患者さんに必要とされてるんだ。
それに、ここの職員たちにもね」
さっきまで頭の中にあったたくさんの?マークが消え、
体中が喜びでいっぱいになる。
俺の潤んだ瞳には、
たくさんの微笑みが映っていた。