Love Birthday‥~約束~
俺が頭を上げると、安堵の溜息が大天使ミカエルから零れた。
「よかった~」
あれ?
ミカエルがへなへな顔に変化してる。
「吉田君に断られたら、家に帰れないところだったよ」
「え?」
「吉田、でかい味方をつけたもんだな」
「はい?」
霧島先生と緒方科長の言ってる意味がさっぱりわからない俺は、何度も首を傾げた。
「実は僕のかみさん、ここの看護部長の霧島なんだ。
かみさんが絶対に吉田君をこの病院から逃がすなって言っててね……」
看護部長が霧島先生の奥さん?
霧島先生より一回り以上年上の看護部長が?
看護部長ってこの病院でそんなに偉い人なの?
?が消えない俺に、霧島先生が苦笑いをしながら言った。
「僕のかみさんはこの病院長の一人娘でね、僕は婿養子なんだ。
吉田君が実習生として来ていた頃から、かみさんは君のことを気に入ってたんだよ。
『あんなに周りの人を変える力のある学生は珍しい』ってね」
周りの人を変える?
俺、何かしたっけ??
話を聞けば聞くほど?が増えていく。
けど、まぁ……いっか。
看護部長がそんなふうに俺を見ていてくれたことがわかっただけで嬉しいから。