Love Birthday‥~約束~
≪4≫―中嶋夕子―
彼との時間
吉田君が理学療法士になってから3か月が経ち、
私は彼の眩しさを毎日近くで感じていた。
彼の患者さんに接するひたむきな思いや、
自分のリハビリを頑張る姿。
どの顔も素敵で、私の鼓動は高鳴りっぱなし。
こんなに素敵な人が私の彼氏だなんて……
彼と過ごす二人の時間になると胸が一杯になる。
だけど、時々息をするのも苦しくなってしまうことがある。
嬉しいのに、切なくて。
近くにいるのに、遠くに感じて。
本当は、彼の隣には別の誰かがいるはずだったのに……って。
私は彼に、前に言っていた『好きな人』のことを怖くて聞けずにいた。
本当はわかってる。
きっと彼は、今も『彼女』を忘れられずにいる。
胸の中で二人の想いは生き続けてる。
そのことを、彼の言葉で聞いてしまうと
私はこのままではいられなくなるような気がして怖かった。