Love Birthday‥~約束~
「あ~、腹減った~」
振り返りをしようと彼がいるリハビリ室に行くと、力ない彼の声が聞こえてきた。
「お昼ちゃんと食べたの?」
私がいることに気づいた彼は、慌てて姿勢を正し立ち上がった。
「すみません」
はにかんだ笑顔で恥ずかしそうに謝る彼。
実習生としてじゃない素の彼を見れたような気がして嬉しくなった。
「謝らないでいいよ。反省会しちゃおう」
「はい」
治療台に二人で並んで座り、今日一日の感じたことや気づいたことを彼が話す。
彼の言葉は的を射たことばかりで、時々私が質問したくなるほどだった。
真剣に患者さんを思う気持ちが、自然と伝わってくる。
それと同時に
グルグル…
ギュルグルグル~
彼の空腹が何度も伝わってきた。