Love Birthday‥~約束~
「どうしてみんなに付き合ってること隠してるんですか?」
「別に隠してる訳じゃないんだけど……なんとなく。
今さら付き合ってますって宣言するのも変だし……」
「私がみんなにバラしちゃいましょうか?」
「え?」
安井の言葉に戸惑った。
安井の口から自然とみんなに知ってもらうことが、今の私達にとって一番良いのかもしれない。
だけど、すぐにそうしてほしいとは言えなかった。
「ううん、いいよ。
やっぱり、出来ればプライベートなことは職場に持ち込みたくないから」
「そうですか?」
「うん。気つかってくれてありがとう」
一人になったトイレで、彼の顔を頭に浮かべた。
彼が私の立場だったら何て言ったんだろう……。
本当は素直に安井の言葉に甘えたかった。
だけど、今の彼の気持ちを考えたら
私はその一歩を踏み出せなかった。