Love Birthday‥~約束~
夕方、一人でリハビリ室にいる吉田君をガラス越しに見つめた。
他の職員は一時間前に仕事を終えて、近くの居酒屋に飲みに行っていた。
さっきまで私もその居酒屋にいたけど、彼のことが気になり抜けだして来てしまった。
彼が、「まだやり終えてない仕事をしてから居酒屋に行きます」って言ってたから、
私は彼の仕事が早く終われるよう手伝うつもりだった。
だけど、
私が彼にしてあげられることはなかった。
たくさんの汗をかきながら平行棒に掴まり歩行練習をしている彼。
いつも両足に付けている装具を外し、自分の力だけで歩こうと歯を食いしばり頑張っている。
その姿に、私は声をかけることが出来なかった。