Love Birthday‥~約束~
「おっ、今日も頑張ってるな」
スタッフルームに入ってきた夜警のおじさんが、ガラス越しに見える彼の姿を見て言った。
「あの、いつもなんですか?」
「あぁ、ほとんど毎日ああやって頑張ってるよ。
すごい根性だよな~。俺には真似できんよ」
知らなかった。
彼のリハビリは毎朝仕事が始まるまで時間と、昼休みだけだと思ってた。
驚きを隠せない私は、おじさんが何か話しかけてくれているにもかかわらず、ただ茫然と立ちすくんでいた。
「兄ちゃん、あんまし無理すんなよ!」
「あっ、はい。ありがとうございます!」
おじさんの叫び声に彼が振り向き、笑顔で手を上げた。
私がいることに気づいたのはその後だった。
「あれ!? 中嶋先生どうしたんですか?
先に飲みに行ってたんじゃ……。
あー、もしかして俺がいないのが寂しくて来ちゃったんですか?」
無邪気に笑顔をみせる彼に、私は笑い返すことが出来なかった。