Love Birthday‥~約束~
「何もありませんよ」
「本当……?」
「あいつと俺は、
俺が怪我をした時に終わったんです」
たくさん聞きたいことがあった。
けれど、彼を抱き締める温もりでその言葉を消した。
そして彼の言葉にひっかかった私の思いも
心の奥底にしまい込んだ。
その言葉を口にしてしまったら
私が自ら別れを選ぶことになるから……。
「俺、汗臭いですよ?」
「うん、いいの」
「もしかして臭いのが好き?」
「ばか!」
彼の笑う声が私の頭の上で響いた。
私は彼の腕の中で、その声をずっと聞いていたいと思った。
ずっと
ずっと……。