Love Birthday‥~約束~
花火大会の夜。
こっそり彼と病院の屋上に上り、打ち上げ花火を見た。
「綺麗だね」
「うん」
二人になると敬語を使わなくなった彼。
彼の想いが少しずつ私と重なってきたんだと感じて嬉しかった。
短い距離を松葉杖を使って歩けるようになった彼は、患者さんたちの目標となっていた。
若い女の子は憧れの眼差しで見ている。
私、嬉しいよ。
初めは本当は不安だったんだ。
奇跡が起きて元の体に戻ったら、彼は『彼女』のところに行くんじゃないかって。
だけど、今は嬉しい。
少しずつ良くなっていく姿に感動してしまう。
本当に頑張ってるから。
その姿が、誰よりも愛おしいから……。