Love Birthday‥~約束~
ノックをしても反応のない病室に足を踏み入れると、
窓際に置かれたベッドに川上陸君がいた。
頭まで布団の中に入れて、完全に壁をつくってる陸君。
これじゃどんな表情をしてるかも見れないな。
俺はベッドの横にあったパイプ椅子に腰を掛け、松葉杖を床に置いた。
まずは自己紹介から。
「川上陸君だよね?
僕は理学療法士の吉田っていいます」
無言。
その無言の返事が、小さな陸君にとって切実な思いをぶつける手段なのかもしれない。
わかるよ。
俺もそうだったから。
何も言いたくない。
何もしたくない。
それが精一杯の気持ちなんだよな?