Love Birthday‥~約束~
俺はあの時、陸君に思ったことだけを伝えた。
それだけだった。
なのに、自分についた嘘がその中にあった。
そのことに気づいてしまった。
『体が不器用になっただけで、何も変わってないよ』って。
俺は、自分にそんな言葉をかけることが出来なかった。
愛実を泣かせたくないから
愛実を苦しませたくないから
愛実のため
そう思って愛実と別れたのに
本当は
問題は俺自身にあったんだ。
体が元気だった頃の俺だけを覚えていてほしい。
あの頃の俺だけを知っていてほしい。
かっこつけてるだけなのかもしれないけど、
そんな考えが愛実と別れる決め手になっていたのかもしれない。
だから、全てを知っている中嶋先生に
俺は恋をしようとしているのかもしれない。
怖いんだ。
勇気がないんだ。
俺、気づかないうちに逃げてたんだ……。