Love Birthday‥~約束~
≪1≫―中嶋夕子―
実習生
週の始まりの月曜日。
私は気だるい気分を消すように白衣に着替えた。
理学療法士になったばかりの頃の私は、毎日が一生懸命で輝いていた。
だけど5年目になった今、私の心はこのロッカーの名札と同じようにちょっとくすんでいた。
リハビリテーション室の奥にあるスタッフルームに入ると、秋の朝日が緒方科長の席を射していた。
今頃家を出た頃かな……
そんな寂しい気持ちで科長の机に触れた。
――トントンッ
さっき私が閉めた扉を誰かがノックした。
「はい」
返事をすると
「失礼します」と聞き覚えのない声が響いた。
誰だろう……。
まだリハビリの開始時間には早すぎる。
ゆっくりと扉は開かれ、
扉の向こうに現れたのは、ドキッとしてしまうくらい整った顔で真っ直ぐな瞳をした青年だった。