Love Birthday‥~約束~


「好きよ……。
たぶん、初めて会った時から吉田君のことが好きだった」


ぎゅっと俺を抱き締める中嶋先生の腕から切ない気持ちが伝わり

俺は胸が痛くなった。


俺は中嶋先生を不安にさせてるんだ。

これ以上悲しい想いはさせられない。

傷つけたくない。



何も言えない俺は、そっと中嶋先生の背中に手を触れた。



「これからもずっと一緒にいたい。
ずっと一緒にいたいよ……。
けど……けどね……」


消えてしまいそうな中嶋先生の声が俺の耳元から離れ、

真っ直ぐに俺を見つめる。


その瞳は悲しくて

切なくて……



「もう限界」


悲しく微笑む中嶋先生から、一粒の涙が零れ落ちた。




< 205 / 262 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop