Love Birthday‥~約束~



「ごめん……。
俺、中嶋先生を苦しめてばかりで……」

「ううん。そうじゃないよ。
吉田君が彼女を忘れようとしてたこと、嬉しかったよ。
けどね、吉田君の苦しんでる姿が辛かったの」


中嶋先生は俺の手をぎゅっと握り、微笑んで言った。


「私、吉田君のこと最低って言っちゃったけど、
本当はもう気づいたんだよね?
嘘のない自分の気持ち。
瞳を見たらわかるよ……」



どうしてそんなに俺のことをわかってくれるんだよ。

俺、中嶋先生の気持ちをほんの一握りしかわかってあげられなかったのに。



自分を責めてる俺を癒すかのように、中嶋先生が俺を優しく抱き締めた。


「最後の指導……ちゃんと守ってね?」


悲しい声が俺の耳元で囁かれ、

俺はその小さな背中を抱き締めた。



傷つけたくない

この人を傷つけたくない。



「私、吉田君が答えを出すまで待ってるから。
ずっと待ってるから……」



俺は声を出すことが出来ず、ただ頷いて中嶋先生の想いを受け止めた。





何時間もかけてやっと見つけたクリスマスプレゼントは渡せなかった。


雪が降らなかったクリスマス。


今までで一番切ないクリスマスだった。








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