Love Birthday‥~約束~
昼休みに一人でリハビリをしてると、安井先生がスタスタと早足で俺の目の前まで来た。
その顔は鬼のように怖く、俺は驚いて平行棒を離しそうになった。
「ちょっと吉田! あんたいつまで中嶋先生を待たせるつもり!?」
その一言で、安井先生は俺と中嶋先生の関係を全て知っていることがわかった。
「あっ、あの……」
「何? 男だったらハッキリ言いなさいよ!」
安井先生の勢いに呑まれそうになる。
安井先生ってこんなに怖かったっけ!?
「自分でもわかってます。
今すぐにでも答えをださないとって。
だけど……」
「どうしてそんなに悩むの?
答えはもう出てるんでしょ?」
安井先生の言葉に胸がズキッと痛んだ。
もしかすると図星なのかもしれない。
俺は悩んでいながら、もう答えを見つけている……?
「さっさと前に進みなよ。
後は私に任せればいいんだから」
勢いがあるまま安井先生はスタスタと去って行った。