Love Birthday‥~約束~


仕事を終えた俺は、目が合った中嶋先生に小さく指で合図して

暗く誰もいなくなったロビーに誘い出した。


心臓が張り裂けそうなくらいバクバクしてる。


今までにも何人かに想いを寄せられ断ってきたけど、こんなことは初めてだった。


きっとそれは、

俺にとって中嶋先生は本当に大切な人だから……。



中嶋先生は俺が呼び出した理由をわかっているかのように、硬い表情をしていた。


「今、話したいことがあるんだけどいい?」

「うん……」


少しひんやりとしたロビーの椅子に座り、俺は中嶋先生の顔を見た。


真っ直ぐな綺麗な瞳。

その瞳には、今にも零れそうな涙が浮かんでいる。



言うんだ。

言わなきゃ。


俺は膝の上で手を握り、口を開こうとした。



その時――

懐かしい声が俺を呼んだ。





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