Love Birthday‥~約束~
照れくさそうに笑う翔太君。
弟ができたみたいにかわいくて、俺はもう一度翔太君の頭を撫でた。
「先生まで子供扱いするなよー」
「ごめん、ごめん。
けど、きっと翔太君のお母さんにとって翔太君は、どんなに成長してもいつまでも手のかかる子供なんだよ。
きっと、親ってそういうもんだと思うよ?」
俺のちょっと説教染みた言葉に、翔太君は頭を掻きながら
「そういうものかな」って言った。
俺にはもう母親はいないけど、きっとそうだと思うんだ。
もし母さんが生きてたら、二十歳を過ぎた今の俺でも子供扱いしてると思う。
朝ごはんは食べたのかい?
お米は足りてるのかい?
寒い思いはしてないかい? って。
心配することがつきないんじゃないかな。
うざったいって思うかもしれないけど、
それが母親の愛情なんだと思う。
俺もいつか父親になったら
うざいって顔をしている子供の隣で、笑って言ってやりたい。
『そのうざいのは、母さんが生きてるかぎり消えないぞ』ってね。