Love Birthday‥~約束~
目に浮かぶ涙で視界が遮られても、俺はその絵を見つめ続けた。
そして、右下に書かれている文字に気づいた俺は
溢れだした涙が伝う口を手で塞いだ。
小さく書かれた
”メグミちゃん” という文字。
「う……そ……。
嘘だろ……?」
愛実なのか?
本当に愛実なんだよな……?
これが夢じゃなかったら
もう俺の想いに迷いはない。
涙を拭うと、トイレから出てきた翔太君が見えた。
翔太君に聞こう。
今、愛実がどこに居るのか――。
ゆっくりと車椅子を漕いでる翔太君に向かって叫んだ。
「翔太君! この絵――」
叫びながら俺は翔太君の異変に気づいた。
突然車椅子を漕ぐ手が止まり、大きく見開いた翔太君の瞳。
その瞬間、
俺は自分自身の異変にも気づいた。