Love Birthday‥~約束~


「ありがとう!」


翔太君を力いっぱい抱き締めると、翔太君は「やめてよ~」って笑いながら言った。


その時、浮かれた俺の耳に後ろから物音が聞こえた。


振り返ると、そこには中嶋先生が立っていた。



瞳を潤ませた中嶋先生を見て、

俺の浮かれていた顔が急に強張った。



もしかしたら、今の会話を全部聞いていたかもしれない。

俺は、まだ中嶋先生に返事をしていないのに……。



「中嶋先生、いつから……?」


恐る恐る中嶋先生に聞いた。


「ずっと居たよ」


寂しそうな声で答えた中嶋先生。

俺は中嶋先生の瞳を見つめた。


俺はまた中嶋先生を傷つけてしまったんだ。






< 229 / 262 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop