Love Birthday‥~約束~


病院の前にはアスファルトを挟んで広い芝生が広がっていた。

春の日差しを浴び、生き生きと呼吸をしている若葉たち。


俺はその芝生の上にある木のベンチに座った。


時々吹く風が、俺の頭上にある木の葉を優しく揺らしカサカサと音を立てる。

俺はその音を聞きながら愛実が現れるのを待った。




いつ愛実が顔を出すかわからない。

仕事が終わらないと出てこないかもしれない。


ていうか、その確率が一番高いんだけど……。


それなのに、俺の指先は緊張して真冬に素手で雪を触っている時のように冷たくなっていた。




ああ、どうしよう。

愛実はどんな顔をするんだろう。



何度も深呼吸して気持ちを落ち着かせようとしたけど、俺の鼓動は高鳴りっぱなしだった。



愛実に会ったらなんて言う?

なんて言おう……。

あ~~、頭がパンクしそうだ。





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