Love Birthday‥~約束~
金曜日
朝、重たい瞼を開けて鏡を見ると、誰にも見せられないような情けない顔が私を責めた。
どうして緒方科長に電話なんかかけたんだろう。
会えるわけないってわかってたのに。
緒方科長を困らせるだけだとわかってたのに。
だけど、昨日の私はききわけのいい子にはなれなかった。
緒方科長に愛されたかった。
ううん……
誰かに愛されたかったんだ――。
寂しくて寂しくてどうしようもなかった。
大学を卒業して地元から離れたこの病院に就職してから、私には何でも話せる友達がいなかった。
いつも孤独と隣り合わせでいた。
辛い時、何かに押しつぶされそうになった時、
支えてくれる人なんていなかった。
自分の足で踏ん張ることしか術を知らなかった。