Love Birthday‥~約束~
俺が話し終わると、愛実は瞳に一杯の涙を溜めて空を見上げた。
そして俺の肩に寄りかかって言ったんだ。
「見つけてくれて、ありがとう」
俺は、涙を隠すように俯いた愛実を抱き締めた。
力いっぱい優しく、壊れないように
抱き締めた。
「好きだよ」
「私も好き……大好きだよ」
愛実の温もりはあの頃と同じだった。
甘くて、優しくて……
このまま時が止まってほしいと願ってしまう。
だけど、時計の針は俺の願いをきいてくれるはずもなく、
一定のリズムで刻々と進んでいく……。
俺は明日の朝、東京行きの飛行機に乗らなくてはいけない。
俺は愛実からマンションの鍵を預かり、愛実の部屋で愛実が帰ってくるのを待つことになった。