Love Birthday‥~約束~



玄関の鍵を閉めてきた愛実を座らせて、俺は冷蔵庫に向かった。


「愛実、ちょっと目瞑って待ってて」

「え? なに?」

「いいから」


首を傾げながらも、愛実は俺の言うとおり両目を手で覆った。


俺はそっと冷蔵庫から箱を出し、音を立てないように準備した。


「まだー?」

「もう少し」



よし、準備できた!

俺は準備したものをテーブルの上に置き、電気を消した。



「もういいよ」


愛実は目を覆っていた手をゆっくりと離し、目の前にあるものに目を大きくした。


1本のローソクの灯が愛実の顔をゆらゆらと照らし、

照らされた愛実の瞳には、涙が浮かんでいた。



「嬉しい」

そう呟いた愛実の横顔が愛おしい。


俺はそっと愛実の肩を引き寄せた。







< 257 / 262 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop