Love Birthday‥~約束~
玄関の鍵を閉めてきた愛実を座らせて、俺は冷蔵庫に向かった。
「愛実、ちょっと目瞑って待ってて」
「え? なに?」
「いいから」
首を傾げながらも、愛実は俺の言うとおり両目を手で覆った。
俺はそっと冷蔵庫から箱を出し、音を立てないように準備した。
「まだー?」
「もう少し」
よし、準備できた!
俺は準備したものをテーブルの上に置き、電気を消した。
「もういいよ」
愛実は目を覆っていた手をゆっくりと離し、目の前にあるものに目を大きくした。
1本のローソクの灯が愛実の顔をゆらゆらと照らし、
照らされた愛実の瞳には、涙が浮かんでいた。
「嬉しい」
そう呟いた愛実の横顔が愛おしい。
俺はそっと愛実の肩を引き寄せた。