Love Birthday‥~約束~
「今日から臨床実習でお世話になります、吉田志則です――」
これが、彼と私の出会いだった。
私は彼の真っ直ぐな瞳を見つめ、ドキッとした感覚を思い出す。
赤くなり始めた私の顔は冷静を装って、硬い口調で彼に挨拶をした。
「理学療法士の中嶋夕子です。
今日からの実習生よね。とりあえずそこの席に座って科長が来るのを待っていて下さい」
そういえば、今日から実習生が来るって言ってたっけ。
たしか大学3年生の8週間の実習。
彼、吉田君は私が指を示した椅子に座り、黒い鞄を床に置いた。
どうしてドキッとなんかしたんだろう。
いくらイケメンだからって、あそこまでドキッとする必要ないでしょ!?
自分の胸に文句を言いながら、私はもう一度彼に目を向けていた。