Love Birthday‥~約束~
視線を逸らした私に、彼が真剣な眼差しで言った。
「大丈夫ですか? 目、赤いですよ」
ドキッとした。
彼に緒方科長との関係を知られたくない。
「大丈夫だよ。何か用?」
心配してくれている彼の目を見ることが出来なくて、私は素っ気ない態度をとってしまった。
「書き直したレポートを、ミーティング前に渡した方が良いと思ったんで」
「昨日あれから直したの?」
「いえ、朝5時に目が覚めて慌てて直しました」
苦笑いの彼の顔を見て、自然と私まで笑ってしまった。
「あんな状態でよく目が覚めたね。
やっぱり若いなー。私だったら絶対無理」
「中嶋先生まだ若いですよ。だってまだ26でしょ?」
「コラッ!年は言わないでよ~!」
昨日はあんなに胸が痛かったのに
今朝はあんなに胸が苦しかったのに
彼の存在が私を笑顔にさせた。