Love Birthday‥~約束~



反省会の時、私は彼の話にまた納得させられてしまった。


彼が担当している河相さんは、足の骨を折って手術をした男性。

もう70歳の高齢で、少しでも早く松葉杖を使っての自立した生活を送らないと筋肉が日に日に弱ってしまうのに、

病棟を管理している看護士が、松葉杖での歩行を許可してくれない。


転倒する可能性があるうちは車いすを使用させるように、と吉田君の考えを却下した。



納得できないまま渋々病棟から戻った彼が、私の考えを聞きたいと言ってきた。



「そうね。私も吉田君と同じ考えだわ。
河相さんは高齢だし、一日も早く全身を動かした方が良いわね」


「ですよねっ!!
いくら言っても看護側は許可してくれないんです!!」



私の答えを聞いた彼は、急に強気な口調に変わった。


彼の怒った顔を初めて見た私は、なんだかとても嬉しくなった。



患者さんのために一生懸命看護士と話をして、

患者さんを思って感情をあらわにする彼。


とても真っ直ぐで、

とても優しい人。



私は彼と河相さんの力になりたいと思った。




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