Love Birthday‥~約束~
フッと鼻で笑った看護部長が、ゆっくりと私の顔を見た。
看護部長の強い視線に負けないように、私は真っ直ぐ看護部長の目を見た。
「中嶋先生がそこまで言うなら、病棟内での松葉杖歩行を許可します。
院外については、まだ許可しませんからね」
看護部長の言葉に、私の心は花咲いた。
これで河相さんのリハビリが前進できる。
河相さんと吉田君の頑張りが目に見えるものになる。
「はい、ありがとうございます!」
私は大きな声で言い、看護部長の前から足を動かした。
けれどその足を止めて、もう一度看護部長に目を向けた。
「看護部長、河相さんのリハビリ担当の学生の名前は吉田志則です!」
看護部長は目を丸くして私を見た。
私はそんな看護部長と周囲にいた看護士たちに頭を下げ、ナースステーションを後にした。