Love Birthday‥~約束~
リハビリ室で私を待っていた吉田君が、私の姿を見るとすぐに立ち上がった。
「河相さん、松葉杖の使用許可がもらえたよ」
「えっ、本当ですか!? よかった~」
ほっとして顔の力が緩んだ彼に、私は微笑みかけた。
「どうやって説得したんですか?」
「河相さんには松葉杖を使う力があるから、今からそれを使わないと体力が衰えてしまうって説明をしたのよ」
私の言葉を聞いて、彼は大きく頷いた。
「中嶋先生、ありがとうございます」
「お礼なんていいわよ。患者さんのために働きかけることは当然でしょ?」
そう言いながら、私は心の中で彼にお礼を言っていた。
あなたのおかげだよ。
私がこんなふうに患者さんを思えるようになったのは。
看護部長に会いに行く勇気が湧いたのは。
ありがとう。