Love Birthday‥~約束~


こんな気分は久しぶり。

冷たい秋の風が頬を吹きつけているのに、私の心の中は春のようだった。


鼻歌をうたいながら、私は緒方科長が待つホテルの部屋に入った。




「遅くなってごめんなさい」


「俺も今来たところだよ」



緒方科長の優しい微笑みに、私は笑いかけた。


今日はいっぱい話したいことがあるの。

私、たぶん理学療法士になってから今日が一番輝いていたと思うの。




緒方科長が注いでくれた赤ワインに口をつけ、私は今日の出来事を緒方科長に話しだした。



「今日ね、吉田君が担当している河相さんのことで看護部長に話をしに言ったの」


「看護部長に?」


「うん。吉田君が一生懸命考えた方針を全然聞こうとしてくれなくて、ついムキになっちゃった。
でもね、看護部長、最後は納得してくれて嬉しかった」


「そうか、よかったな」


「うん。それでね……」




私が話を続けようとすると、緒方科長が私の唇を塞いだ。








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