Love Birthday‥~約束~
ちょっ ちょっと待って‥‥
私、まだ話したいことがいっぱいあるの。
「科長…っん、ちょっと待って」
「待てないよ。昨日の電話の時からずっと待ってたんだから」
緒方科長の大きな手が、私の背中を円を描くように撫でる。
その手は、体の線をなぞるようにゆっくりと下に降りていった。
「待って」
私の声は、
私の思いのように緒方科長には届かなかった。
ベッドの上で、私は緒方科長の体に抱かれた。
いつも私が求めていたことなのに、
なんだかとても切ない気持ちでいっぱいになった。
私は緒方科長の下で零れそうになる涙を枕に沈めた。
そして、切ない思いを心の奥底に必死に沈めようとした。
だけどその思いはすぐに浮かび上がり、私の涙を誘う。
私は、涙の中に彼の姿を浮かべた。
真っ直ぐな瞳で、優しく微笑む彼を……。