Love Birthday‥~約束~
弱さ
8週間の実習の半分が終わる頃、私は吉田君への想いに嘘をつけなくなっていた。
私は、彼が好き。
彼の優しさ、
彼の正直なところ、
彼の患者さんへの思い、
彼の真っ直ぐな心。
彼と向き合うたび、私の胸の中で彼が大きく膨らむ。
だけど、私は緒方科長との関係を終わりにすることができなかった。
実習が終わると、彼は私の前から消えてしまう。
そしたら、きっと私は彼と出会う前の自分に戻ってしまう気がする。
臆病で、寂しがり屋で、
誰かに甘えることができないと不安でたまらなくなる。
だから、私は緒方科長から離れられない。
こんなのは愛じゃないのかもしれない。
だけど、本当の愛を見たことがない私には、
これが愛だと信じ込むしかなかった。