Love Birthday‥～約束～

「河相さんの経過は順調みたいね」


「はい。一人でトイレにも行けるし、病棟では自立した生活が送れてるって喜んでます」



夕方の反省会で、私は彼と河相さんの回復力の早さを喜んでいた。


松葉杖で移動できるようになった河相さんは、トイレに一人で行けるようになり、売店にまで行けるようになった。

とても喜んでいる河相さんの姿を見て、看護側も温かい目で河相さんを見守ってくれるようになった。



「リハビリってみんなで力を合わせてするものなんですね。
河相さんの努力と理学療法、看護や河相さんの周りにいる人たちの協力があって、初めて実現するんだなって思いました」


微笑みながら話す彼の瞳が、とても綺麗に見えた。



ずっとその瞳のままでいてほしい。


たくさんの人に出会い、いろんなことを積み重ねていくうちに人は自然と変わってしまう。



喜びや悲しみ、

人の痛みを見て、自分の痛みも感じる。



きっとこれからいろんな経験が彼を成長させると思う。


だけど、

どんなに辛いことがあっても、

どんなに素晴らしい人間になっても、


今の心を忘れないでほしい。



その瞳で、たくさんのことを見てほしい。