Love Birthday‥~約束~
彼の言葉を忘れたい。
彼のことを忘れさせて……。
pm8:00、私は緒方科長が待つホテルの部屋へ行った。
私の願いを叶えてもらうために。
だけど、私の願いは叶わなかった。
部屋に入った途端、緒方科長の口から出たのは彼の名前だった。
「吉田のことが好きになったのか?」
どうしてそんなことを聞くの?
忘れさせてほしかったのに……。
緒方科長の表情には、昼間の怖さを感じなかった。
だけど、私の心はその優しい瞳に震えた。
「そんなことあるわけないでしょ。変なこと言わないで」
私の心の震えが声にまで表れ、私は緒方科長から目を逸らした。