Love Birthday‥~約束~
彼の実習が残りわずかとなった金曜日の朝、
私一人しかいなかったスタッフルームに彼が現れた。
彼が視界に入った途端に私の鼓動が高鳴り、私はすぐに視線を机に向けた。
「おはようございます」
「おはよう」
机の上にあった本を、わけもなく右から左に移動しながら言った。
どうしよう。
早く誰か来ないかな……。
彼と二人っきりになったら私、
私……。
彼は一度自分の席に着いた後、すぐに立ち上がり私の方に向かって来た。
私は胸の高鳴りを抑えようと必死に息をした。
どうしよう……
落ち着いて……
落ち着いて……
彼はただの実習生……
ただの実習生……
私は心の中で呪文を唱えながら、ゆっくりと彼の眼差しに目を向けた。