Love Birthday‥~約束~
「あっ……ごめんなさい」
驚いている私を見て、彼はすぐにその手を離した。
だけど、彼の手を失っても私の体は彼の熱を帯び続けていた。
どうしよう。
どうすればいい?
どんなに呪文を唱えても、彼が呪文を解いてしまう。
彼をただの実習生だなんて思えないよ……。
俯く私に、彼が静がに口を開いた。
「この前は、すみませんでした。
俺、中嶋先生のこと何も知らないくせにあんなこと言って……」
彼の顔を見上げると、彼は赤い顔で俯いていた。
「俺ガキで、なんて言ったらいいのかわかんないけど……
俺、中嶋先生に自分を大事にしてほしかったんです。
緒方科長のこと本当に好きなのかもしれないけど、今の関係を続けて傷ついてほしくない」
俯いていた彼の顔が少しずつ前に向けられ、彼の視線が私の視線と重なった。
私は息をのみ、彼の話の続きに耳を傾けた。