Love Birthday‥~約束~
「え……!? 冗談ですか?」
「ふふっ、冗談に決まってるじゃない」
私の笑った顔を見て、彼がようやく息をしたように肩を下に落とした。
「酷いですよ!! 俺、本気にしちゃいそうでした!」
「バカね。吉田君がいなくても、ちゃんと緒方科長と別れられるわよ」
冗談という言葉で終わらせるしかなかった。
彼の中には誰かがいる。
私なんかが入る隙間がないほど、
彼の胸の中はその人で埋まっている。
「中嶋先生、本当に大丈夫ですか?」
「え……?」
「だって、中嶋先生……泣いてる」