Love Birthday‥~約束~
「ありがとう。もう平気だから」
額から伝わる彼の温もりを胸一杯に感じた私は、笑顔で彼を見上げた。
「クスッ」
「え!?……なっなんですか?」
「だって、吉田君の顔ガチガチなんだもん」
「そっそりゃあ」
真っ赤になった彼が声をあげた時、ドアが開く音がした。
私達は慌ててその場をから離れた。
そして目に映ったのは、怪訝な顔をしている緒方科長だった――。
きっと緒方科長が入ってきた時、私と彼の空気はいつもと違っていたと思う。
それに緒方科長は気づいてる――。
私は俯いたまま緒方科長の顔が見れなかった。
だけど、彼に向けられた緒方科長の鋭い視線が胸の中に伝わってきた。
そして、逃げるという言葉を知らないであろう彼の緒方科長への視線も、私の胸の奥まで伝わっていた。