Love Birthday‥~約束~
≪2≫―吉田志則―
実習の終わり
「おい、志則! 遅刻するぞ!」
同じ部屋に住んでいる健史の声で目が覚めて、俺は慌てて時計を見た。
「7時半!? どうして起こしてくれなかったんだよ!!」
「何度も起こしたよ。けど志則ビクとも動かなかった」
「嘘だろ~!!」
床に落ちていた服に急いで着替え、朝方にようやく仕上げたレポートを鞄に入れて家を飛び出した。
最悪!!
実習最終日に遅刻なんてありえね~!!
東京の12月の朝。
北海道と違い雪景色はないけど、起きたばかりの体に寒さが染みる。
俺は寒さより遅刻の心配で無我夢中に走り、満員電車に駆け込んだ。
そして、やっと通い慣れた実習先の病院に猛ダッシュで走った。