Love Birthday‥~約束~
「おはようございます!!」
あ、あれ……?
誰もいない。
今日は休み? いや、そんなわけない。
だって今日は金曜日。
「アウトー!」
目を丸くしている俺の背後で緒方科長が叫んだ。
「うわあぁぁぁ!!」
驚いた俺は耳を押さえ後ろを振り返った。
「まあ、仕方ない。ギリギリセーフにしといてやるよ」
緒方科長の言葉に慌てて時計を見ると、8時半を20秒過ぎたところだった。
「すみません。
あの、他の先生方は……?」
「新しい機材が届いて、今みんな見に行ってる。
そろそろ戻ってくるぞ」
「そうですか……」
ほっと胸をなでおろした俺は、仕上げたレポートを中嶋先生の机に置いた。
あっ、けどやっぱり直接渡した方がいいよな?
たぶん、これが最後のレポートになるわけだし……。
今日、俺は中嶋先生と緒方科長の証印をもらうと、ここでの実習を無事に終えるんだ。
正確に言うと、学生としての実習はこれが最後。
あとは3月に国家試験を受けて大学を卒業し、春に国家試験の合格通知をもらったら晴れて理学療法士になれるってわけ。
やっと夢が叶うんだ。
そして、やっとあいつを見つけに行けるんだ――。